目次
【肉食動物と草食動物は共存できるか?】BEASTARS感想
本能と生まれてきた意味とは?
あらすじ
草食動物と肉食動物が共に暮らす学校が物語の舞台。
ある日、学校で演劇部の生徒(アルパカ)が何物かに食い殺される『食殺事件』が起こる。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
この世界ではたびたび、こういった肉食動物が草食動物を食い殺してしまう事件が起こるそうだ。
そんな世界で主人公のレゴシ(灰色オオカミ)は、自らの凶暴性に自己嫌悪し、自らを弱く偽り生活していた。
しかし、とある日の夜にレゴシはうさぎの女の子の匂いを嗅ぎ、彼女を食い殺そうとしてしまう。
その事件をきっかけにレゴシはさらに自分の本能に対して自己嫌悪を抱いて苦しい日々を送ることになる。
レゴシは演劇部の美術班として活動をしている。
ある日ひとつ年上のルイ(鹿)に園芸部に舞台で使う花を取ってくるように命じられ、園芸部のドアを開けるとそこには、あの日自分が襲いかけたうさぎの女の子がいた。
そこでレゴシはうさぎの女の子(名前はハル)に対して恋をしてしまう・・・
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
面白いポイント
2匹の葛藤
本能ではうさぎのハルちゃんを食べてしまいたい、でもレゴシ君はハルちゃんが好きで、その気持ちの葛藤にどう打ち勝つか。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
本能では食べてしまいたいと思うレゴシ。
食料としてハルちゃんを見てしまう、そんな気持ちを抑え、自分自身に対して自己嫌悪を繰り返す。
ハルちゃん側も、うさぎとして、弱者として幼い時からクラスメイトに哀れまれてきた。
可哀想と思われないにはどうしたらいいかを突き詰めた結果。
「他種族に抱かれている瞬間だけは対等に扱われている」と思うことができる。
そんな二人が
いや二匹が・・・
どんなコミュニケーションを取って
どうその本能に折り合いをつけていくか
それが面白さに繋がっています。
性描写がより動物たちのディティールを表す
実はこのアニメ
うさぎと鹿のベッドシーンがあります。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
ルイとハルが逢瀬を重ねるシーン。
ルイにとっては自分を曝け出せる数少ない恋人がハル。
この2人の関係はまたなんとも切ないです・・・
場面は変わって、
ハルもまたレゴシのことを気に入っており、身を預けようとするものの
食べられる物としての自意識に苛まれてしまう。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
草食動物と肉食動物が共に暮らす世界観
実は舞台である学校には外の世界があります。
学校の外の世界では肉食獣と草食獣が平和に暮らしてます。
恐ろしいくらい自然に・・・
でもその平和には理由があるんです。
その理由がこれです。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
これは闇市です。
肉を食べることを禁止されているこの世界では、ヤクザたちが医師から死んだ草食獣を買取、食用として売り捌いているんです。
また、お金に困っているホームレスが、指一本7万円で生活を凌いでいたりもします。
レゴシとハルが抱えている葛藤は、実はこの世界全ての動物が感じているものだったんです。
葛藤を乗り越えた末に
肉食と草食の間には、どう頑張っても無くならない“食欲“という壁があります。
でも、そんな世界だからこそ、自分がどうなりたいか。
どうありたいかが明確になります。
あるものは平和に暮らせる世界のため。
あるものは好きな人を守るため。
あるものは自分らしく生きるため。
それぞれが自分の目的の為に、本能と葛藤する。
その先に何が待っているのか。
ご自身の目で確かめてみてください。
©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
続編情報
『BEASTARS』の原点がここに。
板垣巴留が描き出す珠玉の短編集
『BEAST COMPLEXⅡ』発売中!
『BEASTARS』最終回後のレゴシ&ハルのエピソード
冒頭を公開中!
続きは本日発売の『BEAST COMPLEXⅡ』で!https://t.co/QNTQCZ2BzZ#beastars #ビースターズ #試し読み #漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/1MG9XhfqnK— BEASTARS&BEAST COMPLEX公式 (@Beastars_WC) April 7, 2021
Twitterで今、最終回後のレゴシとハルのエピソードが紹介されています。
もしかしたら今後、3期のアニメ化なんてこともあるかもしれませんね。